あの絵を語らずに辰巳館は語れません。
いまや、名物風呂ともなったあの人のタイル絵のことです。
あの人とは……?
“日本のゴッホ”“裸の大将”ともいわれた山下清さん(1922~1971)♪
日本中を旅して絵を描いていた絵描きさんです。
山下清さんは、驚異的な映像記憶能力で行く先々の風景をちぎり絵で残していますが、辰巳館で制作をしたの
は、原画をもとにしたタイル絵。
昭和30年代、山下清さんがフランス留学を前に、師である式場隆三郎先生とともに何度も辰巳館を訪れまし
た。 そして、昭和36(1961)年、はにわ風呂の大壁画が完成しました♪
「もう放浪の旅には出ません」と誓約書を書き、フランス留学前に製作した貼り絵、大壁画はそれぞれ2カ月の
歳月を費やしたそうです。
享年49歳で亡くなる10年前、晩年の傑作と言われています。
描かれているのは『大峰沼と谷川岳』。
砕いた色ガラスは一枚一枚異なる形をしており、これを手作業で貼り付けていく、地道な作業でした。
そして、よ~く見ると、なんと、山下清さんご本人も登場しています♪
ちなみに山下清さんがほかに残したタイル画は、神奈川県の横浜マリンタワーに『横浜の今昔』『横浜の今』が
あります。